高天原の使者

天照大御神のお言葉によれば、「豊かな葦原の千年もの長き五百年の穂国は、私の御子正勝吾勝勝速日天忍穗耳命の知る国である」と賜り、天から降りて来られた。すると天忍穗耳命は「多多志(たたし)」この3文字の音で仰せられた。「豊かな葦原の千年もの長き五百年の穂国については、伊多久佐夜藝弖(いたくさやえてり)にあり、有那理(ありなり)」とこの8文字の音を真似て言い、また上り返って天照大御神に願った。

すると高御産巣日神と天照大御神は、天安川原に八百万神を集め、思金神に思(かんが)えさせ、「この葦原中国は私の御子の知る国で、賜った国なのです。ですから、この国には道速振(みちすいぶり)・荒振(あれぶり)の神々が多くいます。どの神を遣わして伝えさせたらよいでしょうか」と仰せられた。すると思金神と八百万神が議して言上した。「天菩比神を遣わすのがよい」そこで天菩比神を遣わしたが、大国主神にすっかり心酔し、3年が経っても戻って来ない。

それで高御産巣日神と天照大御神は、また神々に「遣わした葦原中国の天菩比神が久しく戻って来ない。また何れの神を遣わすのがよいか」と問うと、思金神が「天津国玉神の子天若日子を遣わすのがよい」と言上した。それで天の「麻迦古(まかご)」弓と「波波(はは)」の矢を与えて天若日子を遣わした。

すると天若日子はその国に降り立ち、すぐさま大国主神の娘下照比売を娶り、その国を手に入れようと考えていたが、8年が経っても戻らない。

当サイトラノベ古事記が
書籍化しました!

月間50万PVのラノベ古事記がついに書籍化しました!
サイトで読んでくださった方も楽しんでいただけるように、さらに愛を詰め込みました!!日本神話だけでかなり分厚くなっちゃいましたが、ポチっと応援していただけたらとても嬉しいです!

詳細を見る



古事記 おすすめ本